【メビウスリング】 ・概要  不条理感漂うループ世界を舞台に、日常生活の繰り返しと白昼夢の中のロボット戦闘。  シナリオは日常、戦闘、想い出の3つのパートから構成される。  ストーリー的にループする物語を扱っているだけでなく、  ループ設定をシステムに上手く取り込んで面白いゲームに仕上がっている。 ・日常パート  ベッタベタな学園物ギャルゲー的世界。  登場キャラは生意気な妹、デレっぱなし幼馴染、天然女教師、クーデレ先輩、男嫌いの後輩、親友で悪友。   #このパートでは全てのキャラの顔が影入りのアイコンで表示され、キャラ名も"幼馴染"、"先輩"等の役割で表示される。   #何周しても基本的な展開に変化はないが、戦闘パートで撃墜したボスに対応するキャラクターが世界から消失していく。  ネット上でよく見かける小ネタがちりばめられており、やや弱いながら笑い要素もある。  若干シモというかエロ的な会話もあるので、苦手な人は注意。 ・戦闘パート  理由もわからず巨大ロボットで戦い続ける不条理な世界。  日常パート中、学校での授業開始と共に白昼夢に入るような感じでスタートする。  戦闘マップは5種類用意されており、案外ボリュームがある。  出撃回数が20回までと設定されており、残り出撃回数が不足するとゲームオーバーっぽい事になる。   #仲間を出撃させても出撃回数が-1されるので注意。4機で出撃すれば出撃回数-4となる。   #出撃回数が仲間の人数未満になると、戦闘パート開始直後にエラーが出て実質的にゲームオーバーになるw  戦闘マップ中にストーリー展開に影響する選択やコマンドも存在する。   #4機のボスが上から悪友、幼馴染、後輩、先輩に対応。   #ボスを倒してしまうと前述の通り日常から対応キャラが消えてしまうので注意。   #   #先輩以外は会話コマンドで仲間にする事が出来るが、   #会話コマンドを実行する為には後述の思い出パートで対象キャラクターのイベントを最後まで見ている必要がある。   #   #幼馴染は機体の特殊能力により、12ターンが経過すると自爆されてマップクリアになってしまうので注意。   #   #先輩のみ特殊なイベントになっており、主人公でガンリュウの必殺技を受けて生き残った後、   #時間制限つき選択肢で何も選ばずタイムアップまで待てば仲間に出来る。   #   #先輩機の武器性能やイベント条件を見るに、うっかり他の3人は殺しても先輩は助けやすく調整されてるように見える。   #逆に言うと主人公単騎で行って救助イベント起こさずに倒すのは結構ハードル高い。  システムはデフォルトだがバランスはよく調整されており、クセの強い武器性能は面白い。   #エリア1〜3のボスを全て仲間にした上で挑むエリア4はとても簡単に感じる。   #逆に主人公1人でエリア4に入ると結構な苦戦を強いられる。   #   #一部のレアアイテムを除き、強化パーツは「○○を上げる代わりに△△を下げる」性能なので   #強化するというよりはカスタマイズするといった趣き。   #   #主人公機に比べて極端な性能を持つ仲間の機体はパーツ選択の幅がある程度限られてくる。   #アサルトチップ4枚装備でもデメリットがほとんど意味を持たないダルタニアンはちょっと強すぎるかも。  尚、主人公機が撃墜されても白昼夢から醒めステージクリア(修理費0)となるので  これを利用して資金や経験を稼いでから同じマップに再挑戦する事も出来る。 ・想い出パート  日常パートと似てるけど、ちょっと違う世界。  内容的にはキャラ個別のギャルゲ風デートイベント。  日常パートのスタート時に"二度寝する"を選択する事でスタートする。  この際、戦闘パートで入手出来る"想い出のかけら"というアイテムを1つ消費する。   #各キャラクターごとのイベントは5回まで   #5回目を見ると強化パーツを貰え、戦闘パートで対応するボスとの会話が可能になる。   #このパートでは対象キャラのアイコンは顔が全て表示されており、本名も知る事が出来る。   #主人公もげろ。 ・総括  最近よく見るようになった気がする、ノベルゲームっぽいアプローチのシナリオ。  本作はその中でもノベルとSRCの面白さが高いレベルでまとめられた傑作と言えると思う。  登場キャラもメタフィクション的なネタとしての役割のみを持つ無個性キャラかと思いきや  想い出パートを見ると結構個性があってキャラも立っている。  全体的によく練られていて、変な所で拒否反応が出なければ誰がプレイしてもそこそこ楽しめると思う。  ノベルゲーム好きな人、変わったシナリオが好きな人には花マルでオススメ。