【H.E.A.V.E.N 過チノ再生】  申し訳ないがネタバレ全開の内容。  等身大と巨大ロボットの両方の戦闘が存在するオリキャラオンリーシナリオ。  ・プレイ開始前に 『世界の扉』シリーズ第三弾、との事だが第一弾と第二弾は現在は未完なので、 別に続編というわけではないらしい。 まず、このシナリオをプレイする為には少し手間をかけなければならない。 リンクから飛んだページの掲示板から分割ダウンロードを行い、 自分でbitmapフォルダを作成し、bitmapの中にPilotとUnitとMapの三つのフォルダを 放り込む。Unitフォルダは見落としやすいので注意。 Readmeに書いてあるオープニングムービーついての記述は無視するのがベター。 最初からオープニングムービーは問題なく再生でき、DLが進められているmp3を Midiフォルダに放り込んでも別に反映されなかった。  ・序章「宙」  プロローグでは世界観が、少し不思議な力が存在する平和なファンタジー世界である という情報が提示される。  雰囲気のための文章でよく分からない情報が大量に出される類のものではない。  その後にオープニングムービー。黒背景にアイコン表示と人形劇で構成された無難な 出来前だけど、人形劇での効果音の使用頻度が中途半端。  具体的にはチャージ音とビームの発射音のみでその他の動作には効果音が無い。  ムービーの終了後、空に居るかと思われる人物が独り言を呟きながら落下する。  ラピュタ的な王道の冒頭になると予想。  ・第1話「出会イノ空」  アラン=レイアスという青年が独白で自己紹介。彼が主人公らしい。 >(俺のことを知らない者のために一応名乗っておこう)  同シリーズの別の作品で登場している、という事だろうか。  アランが流れ星を見て、この世界の言い伝えを語る、という形で設定が語られる。  簡潔に説明すれば、地上に落下した異界の使徒と呼ばれる存在と現世の者(人間?) が争った。しかし、戦いの勝者はどちらでもなく第三ノ支配者の介入により両者は 破滅した、という内容。  決して難しい内容では無いのだが、 >異界の使徒=使徒=第二ノ支配者 >現世の者=人?  上記の例のように、一つの存在を指すのに複数の単語が使用されており、ぼやけた頭 で読むと混乱しかねない。というか、混乱した。  それと三点リーダーが使用されず、「……」の変わりに「・・」が使用されている。  しっかり統一されているが不満に思う人も居るだろうから一応。  今のところ、黒背景にTalk文という形式で話が進んでいる。文字の表示すらないので どういう状態か少し分かりにくい。  背景画像については今後、差分が出るらしいのでそれまで我慢が必要か。  そして、少し仲間と会話をして一人になると少女が溺れているのを発見する。  幾つかの選択肢が現れるが、どれを選んでも助ける事になる。  少女の名前はレイン=ディファー。  レインを助けた直後に町で盗賊による略奪が発生する。平和はどこいった?  仲間から盗賊がアランとレインが居る船に向かっているという連絡が入る。連絡手段 については記述が無いが、効果音から携帯できる機械を利用していると推測。  ここで盗賊との戦闘に入る。ユニット情報隠蔽のオプションが選択されているが、 敵は弱いので特に気にならなかった。簡単に勝利する。 >アラン「一対の剣を抜き放った」  戦闘中に上記のような形式で地の文が語られるが「」は消した方がいいと思う。  アランが口頭で地の文を話しているようで違和感が。  戦闘終了後、アランは上空から巨大ロボットによる射撃を受ける。  この時の演出は発射音のみで、アニメーションや命中時の効果音は無し。  致命的な傷を負いながらも、ロストガルム(自機)を起動させ上空に向かう。  この時、セリフがおかしいと思ってeveを覗くとミスを発見。 >Salk アラン  TalkがSalkになっている。  巨大ロボットによる後半戦。  ピンチに陥るアランだが、謎の機体に乗ったレインが駆けつける。  緊急同調と呼ばれる謎の機能により、合体が可能になったと語られ戦闘開始。  まず、負ける事がないため、実質イベント戦闘。  ミスは合体直後の曲にKeepBGMが抜けている事ぐらい。  勝利の直後、アランは気を失い次回へ。上空だけど大丈夫か?  エピローグでは会話文のみの次回予告が存在するが、特に個性的な所は無かった。  インターミッションでは辞典が存在する。用語や登場人物の確認ができるので、 非常に便利。特に理解が追いつけない用語と登場人物。  1話で主人公が武器を取り出した場面で盗賊が「国兵か!?」と驚く場面が あったけど、脳内で適当に国兵とは帯剣が許される身分とか解釈していた。  しかし、辞典によれば国軍において白兵戦に優れた者。  『武装を生成する能力を持つ』だそうだ。  ああ、そういえば地の文で、 >アラン「敵に向かって駆け出した俺は虚空から・・」  剣を虚空から抜き放っていた。普通に読み飛ばしてたよ。  能力を使用したから、「国兵か!?」と驚いたわけね。  いや、分からないって。普通に剣を取り出した演出に見えたよ。  粒子集中して、剣を準備(効果音はシャキーン)。  その後に盗賊が「何も無い所から武器が!?」と驚く。  頭の鈍い筆者にはせめて、このくらいはやってくれないと伝わらない。  この時点では悪くは無いが、色々とツメが甘い作品という印象。  もうちょっと、演出面では効果音を活用して欲しいと思う。  ただ、辞典もあるし無条件で投げ出すほどでもないかな、と。  ・第2話「困惑ノ空」  主人公のアランと仲間のライルによるメタ全開の会話から始まる。  気力を使用した直後に脱力喰らった気分だ。  アランが傷を負って気を失っている間、レインは主人公の上司であるセラの世話に なっていた。レインは家事などはまったく出来ないとの事。  続けてアランがレインに彼の職業である傭兵についての説明を行なう。 >Salk アラン  ミス発見。また、サルク=アランさんの登場だ。  次に唐突にアランがレインに世界の歴史についての説明を行なう。  この流れには違和感があった。記憶喪失だとか、異世界人とか特殊な相手と分かって いる訳でもないに必要と思えない説明は普通しないだろう。  後はレインが来た事で足りなくなったベッドについてのトラブル。 >レイ「お前は背景画像を見ていなかったのか?」  この時点では背景無いから! 作者の手元では背景があったんだろうけど。  そしてレインに訓練を行なわせるため、幻術装置を使用した模擬戦を始める。  幻術装置についてしっかり説明がなされ、1話より親切になった。  戦闘開始。狭い地形を利用して袋叩きに出来そうか、と思ったが敵にはすり抜け移動 の能力が存在して目論見が崩れる。別名指定されていたので見落とした。  さらにユニット情報隠蔽と先属性の武装の組み合わせは、いやらしいと思った。  二人居る敵の片方はそれに加え、吹属性も持っているので射程が低い武器を使用する のは禁物。基本的にダメージは低く、それが仇となる事は無かったけど。  勝利後、戦闘中の曲が消えないまま、ゆるい会話イベントに入る。  次に巨大ロボット、クラレによる戦闘に入る。  主役機は運動性の問題か、まったく活躍できず味方の機体の攻撃で勝利。  失属性の武装が火力が高く設定されていて強い。    アランはロストガルム(合体後はロストエクセリオン)の合体時における性能上昇に 驚いているが、連れのアインスドルヒの方が普通に強かったと思う。  戦闘終了後、短い会話を経てエピローグの次回予告に。  1話が例外という訳では無く、戦闘後のイベントは短い傾向にあるらしい。  次回予告から、次の話で本格的に話が動き出す模様。  ・第3話「動キ出ス空」  やっとレインが外の世界から来たと明言された。  実質スルーに近いけど、確認済みである事がアランのセリフで少し触れられた。  さらに今回はメタ会話も無く、2話が特殊であったと解釈できる。  しかし、冒頭の会話のBGMが指定されていないため無音。  戦闘開始時に曲が流れるが、KeepBGMがないので流れ出すMap1.mid。  流石に一度でも通しプレイすれば必ず気付くバグが放置されているのは辛い。  悪いが、ここで中断させてもらう。  ・総評  内容としてはオーソドックス、というか大きな個性は無いシナリオ。  さらに辞典を見ずにプレイすると、分かりづらい点が多々存在する。 (辞典が存在する事に関しては評価できるが)  やや硬派な世界観のファンタジーロボに餓えている人が居るのなら、  分割ダウンロードの問題、背景差分、バグ潰し、  このあたりの問題が解消された頃に触れてみるのがいい。  戦闘自体は侵入防止、敵の全滅、護衛と単調にならないように勝利条件が 設定されているので、もう少し丁寧に作ってくれれば良作になれたかもしれない。